取締役の仕事と責任について

会社から経営を任されている

サラリーマン(従業員)と会社との関係は、雇用契約(労働契約)です。

雇用契約とは、サラリーマンが会社(具体的には上司です)の命令に従って仕事をするのと引き換えに、毎月給料が支払われるという契約です。

 

それに対して、取締役と会社との契約関係を委任契約と言います。

取締役は、経営のプロとして、会社のオーナーである株主から、会社経営を任されているのです。

 

なお、会社と委任契約にあるという点では、監査役や会計参与も同様です。

 

業務内容を決定し執行する

それでは、取締役は、会社の株主から具体的にどのような仕事を任されているのでしょうか。

取締役会を置かない会社における取締役の職務は、会社の業務内容を決定し(取締役が2名以上いる場合には、取締役の過半数で決めます)、決定した業務を実際に執行することです。

 

取締役会を設置している会社の取締役は、まず、取締役会のメンバーとして取締役会に出席しなければなりません。

取締役は、取締役会に出席することで、会社の重要な業務を決定し、他の取締役の職務を監督します。

また、代表取締役や各業務を担当している取締役は、取締役会の決定に基づいて会社の業務を執行します。

 

会社に対して過失責任を負う

万一、取締役が、会社の株主から委託を受けた職務を過失により怠った場合、その取締役は、会社との委任契約に違反したことになります。

契約違反ですから、当然、取締役は、会社に対して損害賠償責任を負うことになります。

 

取締役が、責任を負う場合の具体例としては、まず、法令や定款に違反した場合が挙げられます。

例えば、会社が談合やカルテルに参加した、役人に賄賂を贈ったなどの法令違反を犯してしまった場合です。

 

また、取締役には、他の取締役を監視する義務がありますから、他の取締役の違法行為や職務の怠慢を見逃してしまった場合にも、責任を負います。

 

皆さんが、友人から、「今度、新しく会社を立ち上げることになったから、取締役になってくれないか。役員報酬を払えるような余裕はないから、実際には何もしなくていい。ただ、取締役として名前だけ貸してくれ」と頼まれた場合、安易に承諾してはいけません。

他の取締役が放漫経営により、手形を乱発した結果、その会社が倒産した場合、取締役会に一度も出席しなかった皆さんは、過失により、「取締役会に出席して他の取締役の職務の執行を監督する」という取締役としての職務を怠ったことになります。

後に、株主から訴えられたとき(→株主代表訴訟)になって、「取締役として名前を貸しただけ」「役員報酬ももらっていない」などという言い訳は、通用しないのです。

 

監査役も、取締役と同様、株主から、取締役の職務の執行を監督するという仕事を任されています。

そのため、監査役が、過失によって、取締役の違法行為や職務の怠慢などを見逃し、それによって、会社に損害が生じた場合には、監査役も会社に対して、その損害を賠償する責任を負います。

 

経営判断の原則

取締役は、経営判断を誤ってしまい、その結果、会社に損失を与えた場合にも、会社に対して責任を負います。

問題は、どういう場合に「取締役が経営判断を誤った」と言われるのかということです。

 

例えば、製薬会社A社は、国内で製造・販売していた新開発のガン治療薬を米国で製造・販売することにしました。

すると、米国の患者に、その治療薬の副作用による死亡例が出てしまい、その患者の遺族から損害賠償請求訴訟を起こされてしまいました。

副作用の原因は、ごくまれに見られる欧米人特有の遺伝子によるもので、専門家でも到底予測できないものであったとします。

 

このようなケースで、はたして、A社の取締役は、経営判断を誤ったといえるでしょうか。

 

現代は、経済情勢が複雑で、その変化も極めて早く、一寸先は不確実で流動的です。

このようなご時世に、結果として会社に損失を与えてしまったからといって、それだけで取締役が経営判断を誤ったとされたのでは、怖くて取締役のなり手がいなくなってしまうでしょう。

この点、裁判所は、「経営判断の原則」という考え方で、取締役が責任を負うべきかどうかを判断しています。

 

「経営判断の原則」とは、要するに、取締役には、経営判断を行うにあたり、幅広い裁量があることを前提に、判断のもとになった事実の認識に不注意な誤りがあった場合や、経営上の意思決定の過程が、企業人としてふさわしくない不合理なものであった場合にだけ、取締役は責任を負うというものです。

 

役員は第三者に対しても責任を負う

取締役、監査役、会計参与、執行役は、その職務を行うにあたり、してはいけないことだと知りながら、または、ほんの少し注意をすれば、いけないことだと分かったはずなのに、その少しの注意を怠った結果、会社以外の第三者に損害を生じさせた場合には、その第三者に対して、損害を賠償する責任を負います。

 

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