普通株式と種類株式について
普通株式
普通株式とは、種類株式を発行する場合に、
権利内容に何も限定のない標準となる株式のことをいいます。
通常、定款で単に株式というときは、普通株式を指します。
会社法においては、発行する全部の株式の内容として、
①譲渡制限株式
②取得請求権付株式
③取得条項付株式
とすることを定款で定めることができます。
これらの株式は、発行株式の全部について一律に定めるもので、後記の種類株式とは異なり、同株式との対比では、普通株式に入るものといえます。
なお、上記①の発行株式の全部について譲渡制限株式とする会社を「非公開会社」(株式譲渡制限会社)といいます。
種類株式
(1)種類株式とは
種類株式とは、株式の一部について異なる内容の定めをして発行する株式のことをいいます。
会社は、種類株式を発行するには、その内容及び発行可能種類株式総数等の所定の事項を定款で定めることを要します。
なお、種類株式の内容は以下のようになります。
①剰余金の配当についての優先、劣後(優先株式、劣後株式)
②残余財産の分配についての優先、劣後(優先株式、劣後株式)
③株主総会において行使すべき議決権の制限を受けた株式(議決権制限種類株式)
④その株式の譲渡による取得について会社の承認を要すること(譲渡制限種類株式)
⑤株主が会社にその株式の取得を請求できること(取得請求権付種類株式)
⑥一定の事由が生じた場合に会社がその株式の取得ができること(取得条項付種類株式)
⑦株主総会の決議により会社がその株式の全部を取得すること(全部取得条項付種類株式)
⑧株主総会の決議事項のうち、その決議のほか、その株式に係る種類株主総会の決議を必要とするもの(拒否権付種類株式、黄金株)
⑨その株式の種類株主総会において取締役・監査役を選任すること(取締役・監査役選任権付種類株式。なお、委員会設置会社及び公開会社は発行できない。)
(2)種類株式(議決権制限種類株式)の定款記載例
ア.議決権制限種類株式の発行条件等
種類株式中の議決権制限種類株式とは、上記のように、株主総会において行使すべき議決権の制限を設けた株式のことをいいます。
議決権制限種類株式を発行するには、
①発行可能種類株式総数と
②会社法108条2項3号に規定する事項
を定款で定めることを要します。
この同項3号では、
(ア)株主総会において議決権を行使することができる事項と
(イ)当該種類株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件を定款で定める
こととされています。
なお、会社法は、非公開会社については議決権制限種類株式の発行数(発行割合)に制限を設けていません(公開会社は2分の1以下)。
イ.議決権制限種類株式の定款記載例
第〇条 当会社の発行可能株式総数は〇万株とし、このうち〇万株は普通株式、〇万株は第〇条に定めるA種類株式、〇万株は第〇条に定めるB種類株式とする。
第〇条 A種類株式を有する株主は、株主総会においてすべて事項につき議決権を有しない。
第〇条 B種類株式を有する株主は、株主総会において次の各号に定める決議についてのみ議決権を有するものとする。
(1)剰余金の配当及び処分の株主総会決議
(2)自己株式取得の株主総会決議
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