インサイダー取引規制と相場操縦の禁止
投資家を欺くインサイダー取引
売上を順調に伸ばしてきたかのように見えるA社があるとします。
しかし、内実は多額の負債を抱え火の車でした。
A社は粉飾決済で投資家を欺いていたのです。
A社は、今月末、ついに手形の不渡りを出すことが確実となりました。
A社の役員であるXさんは、倒産する前に、自分が保有していたA社の株式を高値で売り抜けました。
このように、上場会社の役員や従業員、取引先などが、その会社に関する重要な情報が公表される前に、立場上、その重要情報を知り、その会社の株を売買することをインサイダー取引といいます。
インサイダー取引は、その会社の重要情報を知らない一般的な投資家を欺く行為です。
先の例でいえば、Xさんから高値でA社の株を買い受けた一般投資家は、A社の倒産で大変な損害を被ることになるのです。
こうした、不公正なインサイダー取引が自由に行われれば、株式市場は一般投資家の信頼を失い、株式市場で株を売買しようという人はいなくなってしまいます。
そのため、金融商品取引法(証券取引法)は、インサイダー取引を規制し、違反者に対しては5年以下の懲役または500万円以下の罰金という重い刑事罰で対処しているのです。
なお、インサイダー取引規制は、上場会社の役職員やその会社の取引先の役職員ばかりでなく、これらの人から未公表の重要事実を聞いて、その会社の株を売買した人も対象になります。
先の例でいえば、XさんからA社が倒産しそうだという事実を聞いたXさんの友人が、A社の株を売った場合にも、インサイダー取引規制違反として処罰される可能性があるのです。
相場操縦も禁止されている
相場操縦とは、例えば、A証券会社にX社の株式を1株100円で買い付ける注文を出すと同時に、B証券会社に同じ銘柄の株を同じ値段で売り付ける注文を出すことによって、自分の都合の良いように、X社の株の相場をわざと吊り上げたり、反対に下げたりして、高い価格で売り抜け、または安い価格で買い付いて儲けようとする行為です。
他の投資家からすれば、あたかも相場が需給によって変動しているかのように見えるため、誤解してその銘柄を売買してしまい、場合によっては損害を被る危険があるのです。
金融商品取引法は、株式市場の参加者である投資家を保護するため、相場操縦違反者に対しても、インサイダー取引と同様、刑事罰を用意しています。
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