コーポレートガバナンスとは

法令を遵守して効率的な経営を行う

コーポレートガバナンスとは、「企業統治」などど訳されていますが、簡単にいうと、企業が、法令を遵守し、効率的な経営を行うためには、どのようなシステムをつくれば良いのかという議論のことです。

コーポレートガバナンスの中心は、所有と経営の分離を前提とする株式会社において、オーナーである株主が、どのようにすれば、取締役ら経営者が違法行為や不正をしないように、コントロールすることができるのかというところにあります。

というのは、経営者が会社の規模拡大や利益の追求を優先するあまり、法令違反や粉飾決算をすると、最悪の場合、会社が倒産することになり、株主は大変な損失を被ることになるからです。

このことは、雪印食品やカネボウ、海外ではエンロンの破綻といった例を見ても、明らかです。

 

経営者が法令を遵守し、効率的な経営をするためのポイントは、次の2つです。

①まず、経営者の職務執行を監視するためには、どのような組織や機構をつくれば良いのかという、機関設計の問題です。

②もう1つは、不正・違法な行為をした経営者に、どのような制裁を課すべきかという問題です。これは、役員の責任や株主代表訴訟に表れています。

 

会社は誰のものか?

以上は、「会社は出資者である株主のもの」ということを前提とした議論ですが、会社は、果たして株主だけのものなのでしょうか。

例えば、ネット投資家は、株を買った会社の経営者を監視しようなどとは考えないでしょう。

株価が上がれば、今日にでも売ってしまいます。

それに比べて、従業員は違います。

特に、終身雇用を前提として会社に就職した従業員は、その会社が不祥事などで倒産すれば、それこそ明日の生活にも困るわけです。

従業員は、文字どおり、その会社と命運を共にしなければならないのです。

 

こうして考えると、ネット投資家よりも、会社の従業員の方がはるかに、経営者が健全で効率的な会社運営を行ってくれるのかという点について、利害があるのです。

コーポレートガバナンスは、これまでのように、株主の立場一辺倒ではなく、従業員、債権者、取引先、消費者といった、会社を取り巻く多様な利害関係者(これらをステークホルダーといいます)の立場から、複合的に考えることが大切なのです。

 

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