株主の権利について
お金を受け取る権利と経営に参加する権利
会社のオーナーである株主は、会社に対して、大きく次の2つの権利を持っています。
①会社からお金を受け取る権利
投資した資金を回収する権利です。
株主は、会社が利益を生み出せば、配当を請求する権利があります。
また、会社が清算をした場合、負債を全部支払った後に財産が残れば、株主は、その残りの財産(これを残余財産といいます)について、分配を受ける権利があります。
②会社の経営に参加する権利
会社の最終的な意思決定をすることで、会社の経営に参加する権利です。
具体的には、株主は、株主総会に出席して議決権を行使することで、「誰を取締役にするか」といった、会社経営の最重要事項についての最終的な決定権を持っているのです。
株主総会の意思決定は多数決
株主が集まる株主総会は、会社経営に関する最終決定を行う場ですが、全ての会議と同じように、その意思は多数決によって決められます。
多数決である以上、株主総会の場で、会社経営に自分の意思を反映させるためには、過半数の議決権を集める必要があります。
つまり、過半数の議決権を集めた株主は、株主総会で、自分が適任であると考える取締役を選任することができるのです。
逆に、多数決のもとでは、少数の議決権しか持っていない株主が、株主総会に出席して何を言っても、どうにもなるものではありません。
少数株主にも権利がある
では、少数株主は、どうやって会社の経営に参加すれば良いのでしょうか。
少数株主が会社経営に参加するための手段として、会社法は、次の3種類の権利を用意しています。
①会社に自分の意見や提案を聞いてもらう権利
3%以上の議決権を持っている株主は、取締役に対して、株主総会を招集するように請求することができます。
また、1%以上(または300個以上)の議決権を持っている株主は、株主総会に自分の考えた議題を提案することができます。
②会社の情報にアクセスすることのできる権利
株主は、株主名簿を閲覧することによって、どんな株主がいるのか、他の株主はどれくらいの議決権を持っているのかを知ることができます。
また、3%以上の議決権を持っている株主は、会社の会計帳簿資料を閲覧・謄写することができます。
③役員の違法行為をとがめる権利
役員が違法行為をした場合などに、会社が、株主の求めに応じて、役員の責任を追及する訴訟を提起しない時には、株主は、会社に代わって、役員の責任を追及する訴訟を提起することができます。
→株主代表訴訟について
1人1議決権ではなく「1株1議決権」
株主総会は多数決の場ですが、その議決権は、1株につき、1個です。
ですから、同じ会社の株式でAさんの持っている株式は1株につき1個の議決権しかないけれど、Bさんの持っている株式は1株につき2個の議決権があるというようなことは認められません。
つまり、株主は、その持ち株数に応じて、平等に扱われるのです。
ただし、会社は、株式の内容については1種類のものしか発行できないというわけではなく、2種類以上の内容の異なる株式を発行することができます。
例えば、A種類株式をもつXさんには、他の株主よりも優先的に配当をするということも可能なのです。
配当の一種ともいえる株主優待制度
私鉄を運営する会社の中には、その会社の株式を5000株以上持っている株主には、電車全線切符を年間20枚を、1万株以上持っている株主には、年間40枚を無料で配るというような会社があります。
このように、一定数以上の株式を持っている株主を対象に、自社の製品やサービスを優待して提供することを株主優待といいます。
株主優待は、一定数以上の株式を保有している株主に、自社の製品やサービスを優待して提供することで、自社のファンを増やし、自社の株式を長期間保有してもらいたいとの意図で行われるものです。
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